Take You Away 5
司会者との軽いトークの後、悠里と光輝はステージへと向かう。
今はもう、先ほどまでの緊張もなかった。右手に残っているぬくもりと、隣で歌う光輝がいるから悠里は落ち着いていられた。反対に、初めてテレビという大舞台で歌うというのに、光輝は全然緊張している様子がない。それは不思議だったが、悠里には同時に頼もしく感じられた。
歌が始まる直前に、光輝が小さく囁いた。
「これで本当に約束が叶ったな」
『絶対、また会おうな!今度はテレビの中で』
小学生の頃にした約束が、10年経った今ついに果たされる。
嬉しくて、涙が出そうなほどに切なくなった。今の光輝の言葉は、きっとずっと忘れないだろうと悠里は思う。
曲が流れて光輝が歌いだすと、すっと空気が変わった。きっと観客が光輝へと注目しているのだろう。
洋楽に近い調子の曲に、細くもなく太くもない通った声。そして歌のうまさ。
加えて光輝のまっさらな日本人でない雰囲気が、観客を惹きつけていた。
それらをだめにしないためにも、悠里も精一杯歌う。
ふたりの声と気持ちが同調して、極上の歌がつむがれる。
「「 いつも見ていたのは ほしかったのは いつかの約束 」」
「Wanna take you away いつだってそばにいたい」
「Take me away いっそ空の果てまで」
「I'm coming to you to hold you」
「抱きしめていて」
「Kiss you」
「キスをして そして今度こそ」
「「 I'll never let you go 」」
何度も光輝の目を見ながら、悠里は笑顔で思いきり歌った。見る人が見れば一発でばれてしまうかも知れないほど、気持ちがあふれ出していた。
光輝も悠里に笑顔を向けてきて、ふたり一緒に伸びやかに歌いきった。
歌い終わった後に一瞬沈黙が訪れて、悠里はそれをとても心地良く受け入れた。光輝を認めてもらえたような空気に、とても誇らしい気分になった。
光輝もにかっと笑って、共演のアーティストの人達からねぎらいと賞賛の言葉を受け取っている。
これからきっと、彼らと競い合って負かし負かされながらこの世界で輝いていくんだろうと思うと、悠里は誇らしいけれど少しだけ寂しい気分になった。
「あんた達良かったわよ!!あぁほんと、この数ヶ月はあっという間だったわねぇ。光輝の初テレビは大成功よ!ふたりともお疲れ!」
車に全員乗ってドアを閉めた途端、すずかは口を開いて一息に語った。今まで我慢していたらしい。
やはり身内からのねぎらいの言葉は嬉しいもので、悠里はすずかにそう言ってもらえてとても嬉しかった。
「すずかさんもお疲れさまでした!わたしはともかく、光輝の送り迎えまでやってたし」
「ありがとうございました・・・ほんと身にしみた。マジで免許ほしー」
「あんた全然心がこもってないわよ!!大体あんたが、ひとりの方が動きやすいからマネージャーいりません、とか言うから!」
「事実だし俺芸能人じゃないし。あ、すずかさん、俺んとこから先にお願い」
「あぁ・・・まるであんたの駒のようだわ・・・」
「誰のマネージャーなのかわかんないね、すずかさん・・・」
話し口調や普段のすずかからは想像できないほど、すずかの運転は丁寧で安全だ。
ぎゃあぎゃあと(ほとんどすずかだけだが)賑やかにしているうちに、車は光輝の住むマンションへ到着した。
「ほら、着いたわよ」
「さんきゅー、すずかさん。ほら、出るよ」
「へ?え?」
何がなんだかわかっていないうちに外へ引きずり出されて、悠里が何やってるのという目で見ると、光輝はにーっこりと笑った。
「テイク・アウェイ。おもちかえりー」
「はっ!?」
「というわけですずかさん行っていーよ〜おやすみなさーい」
「はぁ・・・あんた達、あたし黙認してんだからもっと注意しなさいよね。じゃあね、悠里」
「えっ、やだ待ってすずかさ・・・」
呼び止めようとした手が空しく宙に止まる。車はもうはるか彼方だった。黙認しているからといって、今の状態まで黙認することないではないか・・・そう思った傍から、悠里は手を引かれる。
「悠里が言ったんだろ、『どこかへ連れ去って』って」
「! それは歌だから・・・っ」
「そんでもって俺は言ったよな、『もう離さない』って」
「それも歌だから・・・しかも光輝が付け足したやつ・・・」
おされてしどろもどろに言葉を返しながら引っ張られているうちに、悠里と光輝はエレベーターの中。
ふと、光輝が歌のサビを口ずさみだした。目は静かに悠里を見ていて、その視線は続きを促している。
「Wanna take you away いつだってそばにいたい」
「・・・Take me away・・・いっそ空の果てまで」
「I'm coming to you to hold you」
「・・・抱きしめていて」
悠里がそう口ずさめば、きゅうと光輝が抱きしめてきて。悠里の耳元で歌を続ける。これ以上なく甘い響きに、悠里は目を瞑って身を震わせた。
「Kiss you」
「・・・キスを、して そ・・・」
そのフレーズが終わるや否や、歌のつむがれる口を優しくふさがれて。
すべての感覚を一点に繋ぎとめられた悠里は、エレベーターが停止を告げるまでとても長く感じていた。
ゆっくりと離れた光輝のくちびるが、最後の言葉を悠里に告げる。
「I'll never let you go・・・・・・絶対離さないし、どこにも行かせません」
退路は断たれた・・・そう悠里が諦めた瞬間だった。
ちゃんとデビューするまではケジメ!と宣言していた光輝は、デビューも済んでテレビ出演も成功させた今、もう誰も止めることができない・・・悠里はそう悟った。
悟ったと言うよりは、覚悟を決めたと言った方がいいのかも知れない。
仕方がないから負けを認めて、悠里は抱きしめ返して軽くキスをしてやる。頬が熱いのはこの際無視だ。
それが光輝をこの上なく調子づかせたことに気づくのは、ほんの数分先の未来・・・。
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かっはー。青いっ(爆)!
あたしにはこれが限界と言うかね、可愛さも甘さもゼ・ロv
甘々でR指定がつくような小説を書ける物書きさんたちをひたすら尊敬してしまうね・・・(笑)
歌詞とかマジで恥ずい上に、ラストがこうなるとは思ってなかったから・・・恥ずかしい!!
こんなんでも受け取ってくれて、かなるっちありがとよ〜(泣)
かなるっちはめっちゃ可愛くて甘くてR指定なお話、書くんですよ〜(笑)
ぜひ彼女のとこ行って、お話堪能してきてくださいな♪
お話の質も量も充実してて、も〜〜〜ステキvvvとしか言いようがない♪
かなるっちのサイトへGO☆
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