soul

 

 


手を繋ぐと、大抵ちえりの手は冷たい。
万年冷え性とか前言ってたけど、それは本当らしい。大体、今は夏真っ盛りなのに。

「相変わらず冷たいなーおまえの手」

「仕方ないじゃん〜〜〜冬より大分マシでしょ」

「それにその方が握り甲斐があるでしょ!」とか意味の分からんことをおっしゃって、ちえりお嬢サマの手はすっぽりおれの手の中に納まった。

季節は夏。
暑いから、冷えたちえりの手は確かに気持ちいいけど。

「紀由〜ちょっとキモチが足りてませんけどー??」

「よく言うよ。おまえの手が冷たすぎんの」

こんなやり取りが、おれらの日常だったりする。

 

寒い季節に一度、冷たいなって言ったら「それは心が温かいから」ってお決まりの言葉が返ってきた。
はいはいどーだかねって返したら、ちえりは

「じゃあなんで紀由の手はあったかいの?それはね〜心が冷たいからよっ!」

と笑いながら決め付けにかかりやがった。
おれから言わせれば、これはパーフェクトなんだけど。

繋いだ手から、少しずつ少しずつ熱が伝わっていって、ちえりの手はほのかに温かくなってくる。なんかそれって、気持ちが伝わってるって感じがしないでもないだろ?
単なる自己満なんだけどな。

その時も、ちえりの手は冷たさを失ってきていて。
それに気を良くしたおれは、ふぅん?と少し笑ってみせた。

「なにソレ」

「いや?それは違いますねーと思っただけ」

「じゃあ何なのよ??」

まぁ・・・・・・今考えればかなり恥ずいこと言ったと思うんだけど。
でもその時は調子に乗ってたのもあるし、寒かったし、からかいの気持ちもあったし、それにまぎれさせて本心を言いたかったのかも知れないとも思うけど。
てか、もう絶対一生言わないし。

 

それ以来、おれらの間ではあんなやり取りが起こるようになった。

 

まぁ、手ぇ繋いで熱送るのができるのはおれだけだから。
自己満でも何でも、これは誰にも譲れませんね。
・・・冬にカイロ代わりにされるのは納得いかねーけどな。

 

『おれは、キモチを熱にしてアナタに送ってるわけなんです』