I'll never let you go
いつも見ていたのは ほしかったのは いつかの約束
Wanna take you away いつだってそばにいたい
Take me away いっそ空の果てまで
I'm coming to you to hold you
抱きしめていて
―――――Kiss you
キスをして そして今度こそ
―― I'll never let you go ――
―――ずーっと、待ってたって言ったらずーっと抱きしめていてくれる?
それとも、ずーっとずーっと、一緒にいてくれる…?
「…ぁ、の…」
エレベーターから唇を優しくふさがれて、自分でも反撃のつもりでキスをし返してやったが、それが彼を調子づかせてしまったらしい。
部屋に入るなり強く抱きしめられてしまった。
「…んー?」
そんでもって、機嫌良し。
これは、私に逃げるなって言いたいの…?
心の底では嬉しいことを隠しながら、これから先に訪れる未来にどきどきした。
「あ、あの、光輝…?」
「なに?悠里」
「……離してくれないと、靴脱げないんだけど……」
「いいよ脱がなくて」
「ええ!?」
「――俺が脱がせてやるから」
そっと耳元で囁かれたのは、歌ってるときとは全然違うセクシーボイス。
どう考えても「悠里仕様」な光輝の音色に頭の芯がぼーっとしてくる。
続いてふぅ、と息を吹きかけられる。突然起こったことに、立っている足に力が入らなくなり、傾いた私の体を光輝が嬉しそうに抱き上げた。
「……こ、光輝…?」
「俺が、どれだけ待ったと思ってるんだろーね、悠里ちゃんは…」
「へ?え???」
「とってもとっても、欲しかったってのに」
「いや、あの、…」
なに言ってるのか会話がつかめないんですけど…!!!!
「焦らされる予定はないから、大人しくお持ち帰りさせてな」
「いや、だから、その…、光輝!!!!」
「ん?」
「………お、降ろしてぇ…」
「ベットの上で良ければ」
抱き上げられて、そのまま寝室に入れられて。
気付けばベットの上に降ろされて。
光輝は機嫌良く私の靴を脱がしていて……。
あっという間に、彼のペースにはまってた。
いや、「おもちかえりー」といわれ、キスをされた瞬間から彼のペースなのかもしれない。
「……光輝……」
これから起こる恥かしい出来事に、顔を真っ赤にして彼の名前を呼んだ。
「ん?怖い?」
しかし、飄々と答える光輝。
「……怖いっていうか、あの……」
「うん」
「シャワー浴び――」
「――駄目」
「え、そんな、それぐらい…」
「駄目に決まってんだろ?―――俺は、一刻も早く悠里が欲しいってのに…」
「こ、う――――ん…」
熱に浮かされた光輝の顔が、月明かりに浮かび上がった。
が、そのまま唇を塞がれてしまった。
彼の名前を呼ぶにも呼べない、出てくるのは甘い吐息と、彼から施される優しい愛撫から流れる自分の蜜だ。
「ふ、ぅん……」
キスをされながら、やんわりと揉まれるたわわかな丘。
服の上からでも解る快感の印を、嬉しそうに摘み上げる。
「ひゃ、ぁ、…!!」
「うん、可愛い可愛い」
満足げに妖艶な微笑を浮かべる光輝を直視できずに、視線を逸らしてしまった。
それを、顎に手をかけた光輝がひょいっといとも簡単に自分の方へ向けた。
「どうして顔逸らすの」
「馬鹿言わないで…!」
「馬鹿なんて言ってないよ、好きな女の感じる顔見たいって思うのは誰だってそうだろ?」
飄々とした表情で、言ってのけた光輝は真っ直ぐに私の瞳を見つめた。
鋭い眼球に視線を逸らすことが出来ずに、ただただ彼の瞳だけを眺めていると、丁寧に服が脱がされていった。
「…あ、の…」
「黙っていい子にしてれば、ご褒美あげるよ」
「…ご、褒美…?」
「うん」
「なにくれるの?」
「……え?……俺とか?」
声にならなかった。
声にならない叫びが、おなかの底から湧き上がって顔が真っ赤になるのが解る。それでも視線だけは逸らせないし、服を次々と剥がされて露わになっていく白い裸体。
月の光に映し出されるように浮かび上がる自分の体の白さに、余計ドキドキした。
「…恥かしいんだ、ピンク色してる」
「見、ないで…」
「あれだけ焦らされたんだ。俺だって焦らさせてもらうよ」
ニヤリ、口角を上げた光輝に反論できずに、瞳を閉じると自然と溜まった涙が流れた。
「…そういう顔するの駄目だよ、悠里…」
「どして…」
「―――すっげ、欲情する」
臆面もなく言える光輝に、余計顔が熱くなる。
触れてこない肌に、自分の肌が敏感に反応しているのがわかる。それでも光輝はただただ私の身体を見つめているだけで、羞恥心だけが大きくなった。
―――恥かしい…っ。
「…なぁ…、ココであんな声出すんだろ…?」
ゆっくりと撫で上げながら、光輝は私の喉に触れた。
猫のようにされてくすぐったい。
「…っん…」
「で、俺の愛撫で可愛い声に変わるっと…」
「あ…ぅ…」
「なに悠里、ココが弱いの?」
「ひ、ぁ…」
ゆっくり上下に喉を撫でられて、身体が知らない体のように反応する。
「ふぅーん……」
そのまま光輝は、私の喉に舌を這わせた。
「ひ、ゃぁあっ」
ぺろぺろと舐め上げられた喉から、知らない声があがった。
今まで歌ってる声とは全然まったく違う、周波数。
自分の体にこんな「声」が隠されてるとは思ってもみなかった。
「……あの声で、こんな声が出ちゃうなんてな……」
「こ、うきぃ…」
「んー?」
「ゃ、ぁ…」
「良く聞こえないー」
「ふ、ぁあっ」
「………今度、この声で曲作ってやろうか」
「んっ、やんっ」
舐めてはなぞり、舐めては指で撫でまわし、そうして私の意識を翻弄していく。
光輝はいかにも楽しそうに人の身体で楽しんでいる様子だし、こちらはなんともやられっぱなしで、そろそろ我慢の限界だ。
「…なに、その顔」
「べ、つに…っ!!」
顔を背けて、虚勢を張る。
すると、光輝は私で遊ぼうと再び首筋に唇を触れようとしていた。
そこを狙って、思い切り抱きしめる。
「―――……んーっと、これは、なんの真似?悠里」
「じ、焦らしてやる…!!」
「んー……、もう充分焦らされてるんだけど?」
「も、もっと焦らしてやる!!」
「……んー……、そうか。解った」
「ん?」
「悠里は、俺にもっと乱れろって言いたいわけだね」
腕の中で、光輝がはっきりと邪悪な笑みを称えたのが解った。
確実になにか私にとって「よからぬこと」をたくらんでいる。
「な、なにそれ…!!」
「だってそうだろー?これ以上焦らしてどうしようっていうの。俺、いい子にしてたってのになーぁー?」
「ま、待ってよ、そんな、だって私初めてだしどうしたらいいのか…!!!」
「動揺するぐらいなら、初めっからすんなよな」
呆れた声を出した光輝は、そのままゆっくりと自由になっている両手を私の身体に這わした。
ゆっくりと、全身を舐めるように撫でていく。
「…っは……、ぅん…っ」
「気持ち良くて、我慢できないなら早く言えば良いのに…」
くす。
不敵な笑みを漏らして、愛撫に緩んだ私の腕の中から出てきた光輝は、涙目で見上げる私の顔を上から覗き込んだ。
「……ずっと、待ってた」
「……?」
「ずっとだ。ずっと、ずーっと…」
真剣な面持ちで呟いたまま、彼はそのまま覆い被さってきた。
暖かい体温がすぐ近くで感じられた。
突き出た突起を撫でるように口に含み、私の快感を引き出していく光輝。
喉をいやらしく舐め上げ、つつつ、と舌を降ろし、再びピンク色の突起を舐め上げる。その度に、今まで感じたことの無い「快感」が身体を纏い、身体の中心が熱くなっていった。
乱れた吐息をコントロールすることも出来ずに、気付けば今まで誰にも触らせなかった蜜壷の中彼の指が入り込んでいたところだった。
「ひ、ぁ…っ!!」
「だいじょーぶ、怖くない…」
卑猥な水音が耳に聞こえてくるようだ。
光輝はそれさえも自分の音楽にするように、ゆっくりと指を突き入れた。
熱い自分の中に冷たいモノが入り込む、訪れる更なる快感、そしてしがみつかなければどこかへ行ってしまいそうな浮遊感に弄ばれるように、必死に彼だけを見続けた。
「っぁ、……ああ…」
「悠里……、入れるよ…?」
切なく眉を歪めて微笑んだ彼が、自分の服に手をかけた。
途中まで脱いでいたシャツを全て脱ぎ捨て、ズボンに手をかける。面倒くさそうに服を脱ぎ捨てるさまを下から見上げて、乱れた吐息を落ち着ける。
しかし、月の光に浮かび上がってくる光輝の裸体にどきどきせずにはいられなかった。
「……えっち…」
「なにがー?」
「光輝の身体」
「…そんなこと言う悠里がえっちだよ」
「!?」
「しょーがないなぁー、もう。そんなに早く欲しいなら、優しくしてあげるよ」
くすくす笑いながら、猛った自身に避妊具を当てる。
そして、準備をし終わった身体をこちらに向けた。
「…入れるよ」
言葉が出せなくて、こっくり頷くと覆い被さるようにして熱いモノが、私の中に入ってこようとしていた。
恐怖を与えないように、ゆっくりと私の中に入ろうとする彼。
しかし、それでも身体は強張ってしまう。
「……」
ぎゅっと瞑った瞳。
真っ暗闇の中瞼の裏からわかるのは月の光だけ。
圧迫感が少しずつ押し寄せてきた。―――怖い。
―――けれど、彼を受け入れたい。
葛藤しながら、ゆっくりと身体の力を抜き始めた私に、温もりが降ってきた。
「…?」
瞳を開ければ、月の光に照らされた光輝の姿。
彼の優しい唇が私のそれに、当たっていた。
労わるように、「怖くないよ」と言い聞かせるように、啄ばんでくる。
ちぅ、ちぅ、目が合った光輝と微笑みながらキスを交わしていたら、圧迫感に恐怖を感じることなく彼の全てを受け入れられていた。
「…な、怖くなかっただろ」
にっこり笑んで、また私をその笑顔の虜にする。
―――ああ、もう、この男は…!
唇までの距離がもどかしくて、今度は私が強引に光輝の唇に自分のそれを押し当てた。
一瞬驚いて目を見開く光輝に少しだけ「お返し」をした気分になった私は、…数分後後悔する。
「…動くよ」
「ふぇ!?」
「ごめっ…!!」
「んっ!!!!あああっ」
突き上げられる。
粘着質な水音に混ざって、光輝の吐息が聞こえていた。
しっかり私を抱きしめながら、突き上げてくる光輝の顔は切なそうで、それでいて目元が色っぽく艶やかになっていた。
「あっ、あっ…っ、ぁっ!!!」
「くぅっ、ゆ…、り、やべ…っ、気持ち、い…っ!!」
感じてる顔に、こちらも感じる。
何度も何度も突き上げられ、快感に身体が染まった頃、私の声にも「艶」が出てきた。
「っあぁん!!!」
「んっ、もっとゆーりの、声、聞かせて…!!」
「こ、き…!こぉ…きぃーっ!!!」
「抱いてて、俺のこと抱きしめて!!!」
「ふぅんんんっっ!!!!」
背中に爪を立てるぐらいに必死にしがみついて、快感の海に流されないようにしていた私に、彼は責め立てるように艶のある声で快感を産み付け、更に突き上げた。
私と彼もそろそろ限界が近づいてきていたのが解った。
やばい、気持ち良い…。
互いが互いに、そう感じたところで、私が一際高い声を発し、光輝は自身を解き放った。
――――Wanna take you away いつだってそばにいたい
Take me away いっそ空の果てまで
ほんのり湿った部屋の中、彼に抱きしめられながら瞳を閉じていると歌声が聞こえた。
「…光輝…?」
「あ、悪い。起こしたか?」
「……んーん、平気……」
「そか」
そういって笑った光輝があまりにも愛しくて、抱きしめた腕に力を込めた。
光輝は月のように笑うときもあれば、太陽のように笑うときもある。その名の通り、光り輝く笑顔で私の心を掴んで離さないんだ。
「ずっと、待ってた……。ずっと、ずーっと……」
「俺だって…」
「I'm coming to you to hold you抱きしめていて…」
「もちろん、――――I'll never let you go……」
にっこり最後に微笑んだ光輝が、出会ったときと同じように私の唇に触れた。
-おわり-